今月の健康便りのテーマは、「残薬」についてです
残薬(ざんやく)とは、医療機関から処方された薬を飲み忘れたり、
飲み残したりして余った薬のことです。
厚生労働省の調査によると、対象者のうち、約90%の人が残薬を持っていて、
約55%の人が医薬品が余った経験があると回答しています。
残薬は薬の適正使用や医療費の観点から社会問題の一つとなっており、
厚生労働省の資料によると残薬の金額は年間500億円にもなると言われています。
医療費の約3分の1以上が公費でまかなわれていることを考えると、
年間に多額の税金が薬の飲み残しという形で放置されたり、
ごみ箱に消えたりしているともいえます。
薬が適切に服用されていないと十分な治療効果を得られず、
体にとって良くない状況になったり、治療期間が延長してしまうことがあります。
また、ご自宅に残薬があると、飲み間違いや誤飲の原因となってしまいます。
薬を飲み残す理由は、飲み忘れが積み重なった(67.6%)、
自分で判断し飲むのをやめた(21.5%)、
新たに別の医薬品が処方された(21.5%)、などです
【平成25年度厚生労働省保険局医療課委託調査「薬局の機能に係る実態調査」より】
ご自宅に残薬があれば、かかりつけの医師や薬局の薬剤師に相談しましょう。
薬局を活用して残薬を見直すことにより、
処方日数の調整(再利用)や、飲み忘れ対策等が可能な場合もあります。
残薬確認や相談には、持参した残薬だけでなく
薬局が持つ過去の記録も使用しますので、
普段調剤を受けているかかりつけ薬局でお願いしましょう。
(※薬を買い取ったり、返品できるわけではありません)